SEOの悩みに役立つ書籍

会員数が八〇〇〇人程度という規模で、「紙」と「インターネット」というメディア双方にコンテンツを用意しなくてはならないのは非効率だろう。
ただ、同社のコンテンツビジネスが具体的にどう動くのかはわからないが、一つはっきりしているのは、同社の「コアーコンピタンス」=強みである。
いわば、同社はユーザーとプロバイダーの間に立って、コンテンツの価値を説明する役割を担っており、その姿勢が会員から支持されている。
一方、インターネットには情報があふれ返り、ユーザーにとっては、どの情報が価値があるのかわからないだろう。
そこで、ユーザーに対して、「このような情報が価値がありますよ」と説明するビジネスは成立する。
それは、私たちユーザーにとっての「目利き」である。
すなわち、「コンテンツアドバイザー」と呼ぶべき存在である。
「コンテンツアドバイザー」の仕事の鍵を握るのが、コンテンツのどの部分に価値があるのか、どこが魅力なのか、どのコンテンツが素晴らしいもので、粗悪なコンテンツはどれか、ということを、わかりやすく、かつ正確に伝える「見せ方」だ。
そこに「コンテンツアドバイザー」が築いてきたノウハウがあるはずである。
出版社の業界用語でいうなら、「どんな。
切り口”をするか」ということだ。
たとえば、『インターネットが日本でも普及している』ことを示すのでも、加入者数のデータを見せて解説する記事もあれば、実際に毎日数時間パソコンに向かい、インターネットなしでは生活できない人を紹介する見せ方もある。
そういう意味では、同社の書評には独特の「見せ方」がある。
本を紹介する最初のページには、本文のほかに、書籍全体の目次を掲載している。
これは、少ないページの中で本の内容をすべて紹介することは無理なので、本のどの部分を要点と判断し、紹介しているかを明示しているわけだ。
ユーザーへ正確な情報を伝えるという意図がある。
ところが、最近このような話かある。
同社は現在、ある無料のメールマガジンを警戒している。
おそらく同社の冊子の存在を知った人物が、同社の冊子の内容をまねた本の紹介記事を、無料メールマガジンで発行しているらしいというのである。
それは「今回は○章を中心に紹介しました」という記述までパーソナルブレイン編集部のやり方とそっくりだという。
前の章で述べたコンテンツビジネスに関する権利は、コンテンツそのものに対する、クリエイターの著作権やコンテンツホルダーの原版権を意味するものであった。
しかし、この話は、デジタルコンテンツの時代になれば、コンテンツをどのように見せるか、どのように編集すればユーザーにとってわかりやすくなるのか、という「編集技術」についても、それが独自性を持ったものなら権利が発生しなければならないことを示している。
権利が生まれれば、編集技術にも独自性が発揮される時代になるはずだ。
そう考えたときに、その独自性を守る役割を果たすと思われるのは「特許」である。
実際、同社の独自の書評のまとめ方は、「特許」にもなりうるものである。
新聞社の書評は限られた文字数しかない。
紀伊國屋書店などの大手書店や、日本書籍出版協会の書籍データペースにも書評はあるが、本の袖や裏表紙にある簡単な内容説明をそのままコピーしてあることもある。
昨第6章コラボレーションの中で台頭する「理解者」先に紹介した「電子書店パピレス」も、独特な楽しい「展示」を行なっている。
その一つが「本の立ち読みコーナー」だ。
ここでは本の目次は「第二草○○」という章レベルだけではなく、実際の本の目次とまったく同じで、すべての目次を見ることができる。
書評の文章も、出版社からデータをもらうのではなく、すべて自社製で作っている。
さらに、実際の書店と同じで、ベストセラーのランキングだけでなく、平台に乗っている、各社がプッシュする本をアピールするような工夫もされている。
こうした「工夫」は、もし実際の店舗であれば、どの店舗も行なっているようなものなので特許はかけられないかもしれない。
しかし、インターネット書店の場合は特許も可能だ。
特許は「どのようにプログラムを組むのか」を意味するからだ。
したがって、対象がプログラムであれば、特許がかけられる可能性はある。
今後は、編集の仕方やプロモーションの仕方まで知的所有権の一部になる可能性も指摘しておきたい。
パーソナルブレインは、その独自の編集方法で「特許」という名の権利を持てるかもしれない。
そうすると、これは新たな権利ビジネスになりうる可能性を秘めているといえよう。
”文字”からJrヘコンテンツの可能性パーソナルブレインが冊子の形で販売する書評コンテンツであるなら、さらに「声」というユニークな形で「書籍紹介」を販売しているのがトークスである。
トークスが販売するコンテンツは、カセットテープの「トークス・カセットーマガジン」である。
「トークス・カセットーマガジン」は毎月一回発行され、最新刊のビジネス書の内容が四阻分収録されている。
一冊分の収録時間は約一〇分。
計四〇分~四五分テープの形になっている。
値段は、一本ごとなら一巻につき三〇〇〇円で、送料も込み。
さらに会員になれば年会費三万円である。
ここにはさらに紹介した書籍の注文用紙も添えてある。
ビジネスのしくみはパーソナルブレインと同じである。
だから、著作権使用料は支払っておらず、逆に著者から感謝のFAxが来るところも似ている。
この「トークス・カセットーマガジン」の事業を立ち上げたのは代表取締役の岡田幸保氏である。
氏が独立して株式会社トークスの事業を設立したのが一九九二年のことであるが、[トークス・カセットーマガジン]は発刊後、会員を順調に伸ばしていき、いまでは年商約二億円に迫る勢いである。
事業設立二年後の九四年には、社団法人ニュービジネス協議会からニュービジネス大賞部門の「奨励賞」を受賞するほど話題を呼んでいる。
この「トークス・カセットーマガジン」が成功した第一の理由は、明確なユーザーターゲットがあったからであろう。
文字通り、「トークス・カセットーマガジン」は、一〇分間に一冊、アナウンサーが最新のビジネス書の内容の「読みどころ」を抽出して、その要約部分を声で話しかけてくるものだ。
その朗読原稿は、岡田氏自身が実際にビジネス書を読んだ後に原稿化したものである。
では、なぜカセット化を試みたのかといえば、企業の経営者の状況に合った情報提供の仕方をしたのだ。
企業の経営者は、常日頃から最新の経済状況やトレントを知りたがっている。
知識も身につけたいと思っている。
だから、ビジネス書はできれば数多く読んでいたいのだが、経営者の日常は忙しくて、とても本など読んでいるひまはない。
ただ、多忙なスケジュールの中でも、たとえば、訪問先を回るときには経営者は専用車などを使い、本人は車中で書類や新聞に目を通す時間がある。
そうした経営者の状況から、自動車の中で「トークス・カセットーマガジン」のテープを入れて、次の訪問先に行く時間を利用してビジネス書にある知識を身につける’サービスがヒットしたわけである。
しかも、「トークス・カセットーマガジン」のコンテンツは、ビジネス書の内容を手際よくI〇分程度でアナウンスする。
時間を有効に使いたいと思っている経営者にはピッタリのサービスだったのである。


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